気候予測データの解析環境を構築する 番外編― ”wxbcgribx.py”を動かす

はじめに 「気象ビジネス推進コンソーシアム(略称:WXBC)」により、 気象庁のGPVデータを処理し活用する方法を学ぶため、気象庁GPVデータ分析チャレンジ!入門(2023年10月26日)が開催されています。(現在受講中) www.wxbc.jp 事前準備として、” WXBCオ…

気候予測データの解析環境を構築する。その7―MCMCサンプラーの実行環境を構築する。

はじめに 気候予測データは、将来の平均的な「気候」状態を予測するためのもので、ある地域の気温・降水量の平均値や変動の標準偏差などの統計量がどう変化するか?を予測しています。(ココが知りたい地球温暖化より) www.cger.nies.go.jp 気温など、連続し…

「日本域CMIP6データ」を可視化する その1-データの入手とマップ化

はじめに 「日本域CMIP6データ」は統計的ダウンスケーリング手法を用いて作成された、20世紀初頭から21世紀末までの日単位で全国1kmメッシュの気候予測情報で、5種類の最新の全球気候モデル、3種類の温室効果ガス排出想定に基づいた将来予測データが公開され…

「全球及び日本域150年連続実験データ」を可視化する その7-札幌の平均気温のシミュレーション結果をヒートマップで表現する。

はじめに 今年の夏は北海道でもうだるような暑さが続きました。気象庁の”夏の天候のまとめ”によれば、2023年(令和5年)夏(6~8月)の日本の平均気温は1898年以降で夏として最も高くなったとのこと。 www.jma.go.jp 別紙(概況、統計値等)によれば、北海道…

「全球及び日本域確率的気候予測データ(d4PDF シリーズ)」を可視化する - 日本域ダウンスケーリングデータを用いて大雨の将来予測を可視化する。

はじめに 「全球及び日本域確率的気候予測データ(d4PDF シリーズ)」は、「大規模アンサンブル気候シミュレーション出力をまとめたデータベースの総称」で、「社会的関心の高い豪雨や台風などの発現頻度が低い顕著な大気現象の将来変化を評価・推定すること…

「全球及び日本域150年連続実験データ」を可視化する その6-回る地球上に地上気温変化を描く。

はじめに 前回は、QGIS上で全球の地上気温変化アニメーションを作成しました。 cci-labo.hateblo.jp ただやはり、本物の地球を観察しているような視点で描きたい! ということで(画面上で)回る地球儀にデータを貼り付けてアニメーションを作ってみます。 …

「全球及び日本域150年連続実験データ」を可視化する その5ー統合プログラム全球60km150年連続実験データから温度変化のアニメーションを作成・表示する。

はじめに 前回は60km格子の全球気候情報を使って世界的な温暖化傾予測データをアニメーション化しました。 ただ、全球で同じ気温スケールを使用しているため、高緯度域と低緯度域で色の変化域が異なり、気温がどう上がっていくかを直感的に把握するのはちょ…

「全球及び日本域150年連続実験データ」を可視化する その4―統合プログラム全球60km150年連続実験データを入手しQGIS上でアニメーション表示する

はじめに 「全球及び日本域150年連続実験データ」は1950 年から 2099 年までの連続した 150 年のシミュレーション実験の出力データで、60km格子の全球気候情報と20km格子の日本域気候情報が公開されています。 60km格子の全球気候情報を用いることにより、世…

「全球及び日本域150年連続実験データ」を可視化する その3ー統合プログラム領域20km150年連続実験データの時系列データをQGISでアニメーション表示する。

はじめに 前回は、150年連続実験データの時系列データをgifアニメーションにする方法を紹介しました。 cci-labo.hateblo.jp ただ、やはり、興味のあるエリア(ROI)を拡大したり、動画を止めたり、ほかの情報と重ね合わせたい! それなら、時間軸を持ったnet…

気候予測データの解析環境を構築する。その6―Pythonライブラリ:Xarrayを導入する。

はじめに 前回、150年連続データセットのgifアニメーションを(力技で?)作成してみました cci-labo.hateblo.jp が、やはりQGIS上でアニメーションをぱたぱたさせたい!自分の住む地域を拡大してみてみたい!ということで、方法をさがしていたところ、以下…

「全球及び日本域150年連続実験データ」を可視化する その2ー統合プログラム領域20km150年連続実験データの時系列変化を可視化する。

はじめに 「全球及び日本域150年連続実験データ」は気候変動がいつの段階でどのくらいまで進むか?その時間推移を把握することができます。 その変化を視覚的に捉えるため、マップの時系列アニメーションを作成してみましょう。 時系列ラスタの作成 前回入手…

「全球及び日本域150年連続実験データ」を可視化する その1―統合プログラム領域20km150年連続実験データの入手とマップ化

はじめに 「全球及び日本域150年連続実験データ」は1950 年から 2099 年までの連続したシミュレーション実験の出力データで、60km格子の全球気候情報と20km格子の日本域気候情報が公開されています。 このデータを用いることにより。 ’20 世紀中頃から 21 世…

気候予測データの解析環境を構築する。その5―Docker-wgrib環境を構築する。

気候予測データの解析環境を構築する。その4―Docker-wgrib2環境を構築する。では、GRIB2形式を読み込むための環境を構築しました。 cci-labo.hateblo.jp 気候予測データセット(DS2022)の「全球及び日本域150年連続実験データ」はGRIB1形式で公開されてお…

「全球及び日本域気候予測データ」 創生・統合プログラム2km格子NHRCM日本域気候予測データを可視化する

はじめに 2㎞格子の日本域気候情報について、5㎞格子と同様にマップ化してみましょう。 データの入手 ここでは、シミュレーション上における1993年6月29日のデータを入手します。 ※あくまでも気候モデルシミュレーション上の日付なので、実際の1993年6月29…

「全球及び日本域気候予測データ」 - 創生・統合プログラム5km格子NHRCM日本域気候予測データを可視化する

はじめに 「全球及び日本域気候予測データ」は、創生・統合プログラムによる気候変動予測モデルの実験出力データで、 20㎞格子の全球気候情報と5㎞格子と2㎞格子の日本域気候情報が公開されています。 このうち日本域気候情報は30分~1時間の間隔の出力…

「日本域気候予測データ―格子点データ」を可視化する その2-2km版データの入手とマップ化

はじめに 「日本域気候予測データ」では、それまでの『「地球温暖化予測情報第 9 巻」データセット(「第 9巻」データセット)』に水平解像度 2km への力学的ダウンスケーリングを行った予測が追加されました。 「2km 版」データセットの計算で用いた NHRCM0…

「日本域気候予測データ―格子点データ」を可視化する その1-5km版データの入手とマップ化

はじめに 「日本域気候予測データ」には、バイアス補正をしていない「モデル格子点データ」と気象庁アメダス観測地点に対応するモデル格子点についてバイアス補正した「観測地点データ」の 2種類があります。 「観測地点データ」については、前の記事でマッ…

気候予測データの解析環境を構築する。その4―Docker-wgrib2環境を構築する。

はじめに 本研究室で利用させていただいている「気候予測データセット2022」から入手できるデータの形式は複数あります。 気候予測データセット解説書 第1章 気候予測データセット 2022 カタログ(詳細)に予測データとそのデータ形式が載っています。(1-4…

気候予測データの解析環境を構築する。その3-地理空間情報の処理環境を構築する。

はじめに 地理空間情報を扱うシステムをGIS(Geographic Information System)といいます。 GISは、地図や衛星画像などの空間データを管理・分析するためのシステムであり、気候変動予測シミュレーションの出力を地図上に表示したり、他の空間データと組み合…

気候予測データの解析環境を構築する。その2―python開発環境を構築する

はじめに WSL2にインストールしたUbuntuには、すでにPython3.10.?がインストールされており、すぐに使用することができるのですが、データ分析に役立つライブラリを活用することにより、効率的な処理が可能となります。 本研究室では、Python3の標準パッケ…

気候予測データの解析環境を構築する。その1-WSL2上にUbuntu-xface4を構築し、GUIで動かす。

はじめに 本研究室では、Windows Subsystem for Linux 2(WSL2)上のLinux(Ubuntu)上にPythonの解析環境を構築し、データ処理を行っています。 Linux上でデータ解析を行うメリットは様々ありますが、私が選択する理由は次にあります。 様々なオープンソー…

「日本域気候予測データ - 観測地点データ」を可視化する その3- 季節・月別統計値のグラフ化

はじめに これまで、「日本域気候予測データ - 観測地点データ」の年統計値のグラフ化について紹介しましたが、季節別及び月別に集計した値も公開されており、地球温暖化に伴う気候の変化を季節別・月別に示すことが可能です。 季節統計値、年統計値それぞれ…

「日本域気候予測データ‐観測地点データ」を可視化する その2-地点ごとの将来予測のグラフ化

はじめに 「日本域気候予測データ‐観測地点データ」の年統計値データには、それぞれ20 年分(現在:20世紀末(1980~1999年)、将来:21世紀末(2076~2095年)の年統計値データが収録されています。気候予測データセット2022解説書を読むと、 diasjp.net 気…

「日本域気候予測データ - 観測地点データ」を可視化する - データ入手とマップ化

はじめに 「日本域気候予測データ」は、気象庁の公表する「地球温暖化予測情報第 9 巻」と「日本の気候変動 2020」で用いられているデータで、NHRCM05 または NHRCM02 による RCP8.5 シナリオ及び RCP2.6 シナリオに基づく将来予測計算の結果を、気象庁が解…

はじめまして!

Climate Change 2021: The Physical Science Basis Figure 4.19 | Mid-and long-term change of annual mean surface temperature. IPCC みなさん、はじめまして。 近年、豪雨災害など、地球温暖化・気候変動に対する不安が実感を伴うようになっており、今後…