「日本域CMIP6データ」を可視化する その1-データの入手とマップ化

はじめに

「日本域CMIP6データ」は統計的ダウンスケーリング手法を用いて作成された、20世紀初頭から21世紀末までの日単位で全国1kmメッシュの気候予測情報で、5種類の最新の全球気候モデル、3種類の温室効果ガス排出想定に基づいた将来予測データが公開されています。

www.nies.go.jp

利用可能な 8 変数(日最低・最高・平均気温、降水量、全天日射量、下向き長波放射、風速、相対湿度)のうち日最高気温データについて、まずはマップ化してみましょう。

  1. 気候予測データセット(DS2022)のホームページにアクセス
    diasjp.net

  2. データセット紹介→日本域CMIP6データに進む

  3. データダウンロードをクリック

  4. "データをダウンロード"をクリック

  5. CMIP6をベースにしたCDFDM手法による日本域バイアス補正気候シナリオデータのダウンロード一覧ページにログイン

  6. MRI-ESM2-0”の1950年代の日最高気温データを検索し、全ファイルにチェックを入れる
    ディレクトリ指定:/NIES2020_jpnCDFDM_CMIP6/tasmax/day/MRI-ESM2-0/historical キーワード指定:-195(部分一致)

  7. 一括ダウンロードする

データを解凍する

# ユーザホームディレクトリにCMIP6フォルダを作成し、
# ダウンロードした”data***.tgz”を移動しておく。
cd /mnt/c/Users/hoge/CMIP6/  
find ./ -type f -name "*.tgz" | xargs -n 1 tar zxf

次のディレクトリにデータが解凍されます。 C:\Users\hoge\CMIP6\dias\data\NIES2020_jpnCDFDM_CMIP6\tasmax\day\MRI-ESM2-0

QGISに読み込む

入手したデータはnetcdf形式ですので、そのままQGISに読み込むことができます。

メッシュレイヤとして読み込む

「レイヤ」→「レイヤを追加」→「メッシュレイヤを追加」

ソース:メッシュデータセットに"tasmax_day_MRI-ESM2-0_historical_r1i1p1f1_19500101-19501231_cdfdm.nc"を指定して「追加」

CRSの設定

緯度経度のグリッドですので、EPSG4326をつかいます。

時間設定

レイヤの時間を19500101-19501231になるように設定します。

日最高気温のマップが表示されます 。

一応アニメーションも動きます。

「日本域CMIP6データ」の日最高気温データを入手し、マップ化するまでを紹介しました。

実は、月平均値なら気候変動適応情報プラットフォームのWebGISで簡単に可視化できます。

adaptation-platform.nies.go.jp

簡単ですので、まずはこちら↑を試してみてください。

次回は、入手したデータからピンポイントの情報を取り出し、集計する方法を紹介したいと思います。

※本記事では以下のデータを利用させていただきました。 石崎 紀子, 2021: CMIP6をベースにしたCDFDM手法による日本域バイアス補正気候シナリオデータ, Ver.1, 国立環境研究所, doi:10.17595/20210501.001. (参照: 2023/09/28~10/01)