気候予測データの解析環境を構築する。その5―Docker-wgrib環境を構築する。

気候予測データの解析環境を構築する。その4―Docker-wgrib2環境を構築する。では、GRIB2形式を読み込むための環境を構築しました。

cci-labo.hateblo.jp

気候予測データセット(DS2022)の「全球及び日本域150年連続実験データ」はGRIB1形式で公開されており、wgrib2からうまく読み込めないことが判明*1したため、GRIB1を扱うために"wgrib"のコンテナを作成します。

www.cpc.ncep.noaa.gov

wgrib用コンテナを作成

前回利用したochonjo/wgrib2-with-gdalから、新たにwgrib用コンテナを作成します。

docker run --name "wgrib_dock" -v /mnt/c:/mnt/c -it ochonjo/wgrib2-with-gdal:3.4.2

wgrib_dockターミナルでwgribのソースコードを入手し、コンパイルしインストールします。

# ソースコードを入手 
cd ~
wget https://ftp.cpc.ncep.noaa.gov/wd51we/wgrib/wgrib.tar

# 解凍
mkdir wgrib
tar -xvf ./wgrib.tar -C ./wgrib

# コンパイル
cd ./wgrib
./src2all alpha
make

# 実行ファイルをコピー
cp wgrib /usr/local/bin/wgrib

# 終了
exit




テスト

以下のページを参考にうまく動くかテストします。

https://ftp.cpc.ncep.noaa.gov/wd51we/wgrib/porting.txt

コンテナに接続する

docekrのサイドバーの"wgrib_dock"を右クリック→「start」

"wgrib_dock"を右クリック→「Attach shell」

"wgrib_dock"コンテナのターミナルが起動する

# 呼び出してみる
wgirb

# テストデータを入手
cd ~
wget http://ftp.cpc.ncep.noaa.gov/wd51we/wgrib/land.grb

# ファイルを読み込んでみる
wgrib land.grb

# ヘッダ情報を表示
wgrib land.grb -V

 

動きましたか?

これでGRIB1形式のファイルを処理する環境が整いました。 さあ、気象予測データの解析をはじめてみましょう!

*1:私がwgrib2でGRIB1を読み込む方法を知らないだけ・・かもしれません。